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アンモニアガスの危険性と検知の重要性

アンモニア(NH3)は、無色で刺激臭を持つ気体で、私たちの身の回りや産業界で幅広く利用されています。
肥料、化学製品の原料、冷媒、清掃用品など、多岐にわたる用途がありますが、その一方で取り扱いを誤ると人体に深刻な影響を及ぼし、時には命に関わる危険性も秘めています。


アンモニアガスの危険性

アンモニアガスは、その濃度によって人体に様々な影響を与えます。

✅ 刺激性

低濃度であっても、目、鼻、喉などの粘膜を強く刺激します。特に目に入ると激しい痛みや炎症を引き起こし、重症の場合は視力障害に至ることもあります。

✅ 呼吸器系への影響

吸入すると、気道や肺に炎症を引き起こし、咳、息苦しさ、肺水腫などの症状を招きます。高濃度では呼吸困難に陥り、窒息死に至る危険性もあります。

✅ 皮膚への影響

液体アンモニアが皮膚に触れると、凍傷や化学熱傷を引き起こすことがあります。

✅ 引火性・爆発性

アンモニアガス自体は燃えにくい性質を持っていますが、空気中の濃度が一定範囲(15~28vol%)に達し、着火源があると爆発する危険性があります。

特に密閉された空間では、このリスクが高まります。

なぜアンモニアガスの検知が重要なのか?

アンモニアガスによる事故を防ぎ、作業員や周辺住民の安全を確保するためには、その存在を早期に検知することが極めて重要です。

🔶 危険の早期発見

アンモニアは刺激臭があるため、低濃度でも気づきやすいという特性がありますが、臭いに慣れてしまう「嗅覚疲労」を起こしやすいのも特徴です。そのため、高濃度になっても異変に気づかない危険性があります。ガス検知器は、人間の感覚に頼らず、設定された濃度を超えると警報を発することで、危険を自動的かつ確実に早期発見します。

🔶 事故の未然防止

ガス漏れを早期に検知することで、大事故に発展する前に適切な対応(換気、漏洩箇所の特定と閉鎖、避難など)を取ることが可能になります。これにより、人体への被害や設備損傷、大規模な爆発といった最悪の事態を避けることができます。

🔶 法規制への対応

多くの国や地域で、アンモニアを取り扱う施設や工場には、ガス検知器の設置が義務付けられています。これは、労働安全衛生や環境保護の観点から定められており、法規制を遵守するためにも検知器は不可欠です。

🔶 作業環境の安全性確保

アンモニアを使用する作業現場では、日常的にガス濃度を監視することで、作業員の安全な労働環境を維持できます。万が一の漏洩時にも迅速に対応できる体制を整えることは、従業員の生命と健康を守る上で最も重要な要素の一つです。

🔶 設備保全と経済的損失の回避

ガス漏れは、設備や配管の劣化、破損を示唆している場合もあります。早期検知は、これらの問題を特定し、修理を行うことで、さらなる損傷や生産停止による経済的損失を防ぐことにも繋がります。 このように、アンモニアガスの危険性を正しく理解し、適切なガス検知器を導入・運用することは、人命を守り、財産を保護し、企業の社会的責任を果たす上で必要不可欠です。

アンモニアガス(NH3)計測のむずかしいポイント一覧

項目 難しい理由
高い反応性

アンモニアは水や金属に吸着しやすく、配管やセンサーチャンバー内に残留しやすい。

結果として応答時間が遅れたり、精度が低下することがある。

腐食性と腐食環境

アンモニアは湿気と反応して腐食性を示すため、センサーや筐体素材の選定を誤ると劣化が早い。

背景干渉ガスの存在

一部のVOC(揮発性有機化合物)やアルカリ性物質と誤検知を起こす場合があるため、
クロスセンシティビティ対策が必要。

湿度の影響

アンモニアは水に非常によく溶けるため、湿度が高いと吸着・溶解により正確な濃度計測が難しくなる。
湿度補償機能が必要になる。

低濃度検出の困難さ

アンモニアは人体への影響が低濃度(25ppm以下)でもあるため、非常に微量な検出が必要。
高感度センサーとキャリブレーション精度が求められる。

校正の手間と毒性

校正ガスとして使うアンモニア自体が毒性を持ち、取り扱いには厳重な注意が必要。
安全な校正環境が必要。

検出原理ごとの限界

光学式(NDIRなど)はアンモニアに向いておらず、電気化学式や半導体式が主流だが、それぞれに精度や寿命の課題がある。

アンモニアガスと防爆の必要性:なぜ必要か?

項目 内容
アンモニアの可燃性

アンモニア(NH₃)は可燃性ガスであり、空気中に15〜28%の濃度で存在すると引火・爆発のリスクがあります。特に密閉空間では爆発性ガス雰囲気が形成されることがあります。

発火源の危険性

通常の電気機器(スイッチ、リレー、センサーなど)は小さな火花や熱を発生させることがあり、これがアンモニアガスに引火する危険があります。

爆発下限界(LEL)と上限界(UEL)

NH₃の爆発下限界は約15%(150,000 ppm)で、可燃性ガスとしては高めですが、工業施設では大量に扱うため爆発の可能性が否定できません。

法律と規制

日本では消防法や労働安全衛生法に基づき、第4類危険物や特定化学物質の取り扱いとして防爆機器の使用が義務化されている場合があります。

腐食性との複合対策

アンモニアは腐食性があるため、防爆+耐腐食設計が必要となる特殊な対応が求められることがあります。

アンモニアガス警報器の設置上の注意点

注意点 説明
ガスの比重

アンモニア(NH₃)は空気より軽い(比重:約0.6)ため、漏れたガスは上昇します。
センサーは天井付近または機器の上部に設置するのが基本です。

風通しと気流

換気扇や送風機などの気流の影響を受けない場所に設置する必要があります。
風でガスが拡散され、検知が遅れる可能性があります。

障害物の有無

センサー周辺に棚、梁、天井の凹凸などの障害物があるとガスが滞留せず、正しく検知できません。
開放的な空間に設置します。

検知対象と設置距離

漏洩リスクのある機器(アンモニア冷媒装置・配管など)から半径1〜1.5 m以内、高さ0.3〜1.0 m上方を目安に設置します。

防爆・腐食対策

アンモニアは可燃性・腐食性を持つため、防爆構造耐腐食筐体(ステンレス、フッ素樹脂等)を選定する必要があります。

定期点検のしやすさ

点検・校正作業がしやすい位置(脚立などでアクセス可能)に設置することで、維持管理が容易になります。

 

ガス検知器点検センサ交換定期的なガスセンサは、交換が必要

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