騒音計とは?

騒音計とは?

騒音計とは、日常の快適な生活環境を守るツールであると同時に、労働安全や企業コンプライアンスに不可欠な測定器

騒音計(Sound Level Meter, SLM)は、周囲の音をデシベル(dB)単位で数値化する測定器です。 日本では JIS規格(JIS C 1509、IEC 61672に準拠) に基づいて設計され、精度や用途に応じて「クラス1(精密級)」と「クラス2(普通級)」に分類されます。

騒音計は、以下のような場面で幅広く使われています。

  • ✅労働安全衛生法に基づく作業環境測定(工場、建設現場など)
  • ✅環境基本法に基づく生活環境騒音調査(道路、鉄道、空港周辺)
  • ✅建築基準法や学校環境衛生基準における評価(住宅、学校、オフィス)
  • 製品検査や研究用途(機械・家電製品の静音性評価など)

現場では「A特性」(人の聴覚特性に近似した周波数重み付け)が一般的に使用されます。特に dB(A) 表示 が、規制値や法令で広く採用されています。


よく使われる騒音計の使用例

工場(製造業・生産現場)

・労働安全衛生法に基づく作業環境測定で使用

・プレス機・コンプレッサー・金属加工機などの大音量設備周辺で、作業員の騒音暴露量(dB(A))を測定

・測定結果は、耳栓・イヤーマフなどの保護具選定や防音壁の設計に活用

建設現場

・建設工事騒音規制法や地方自治体の条例に基づき、周辺環境への影響を調査

・重機(パワーショベル、杭打機、発電機)の稼働音を計測

・工事騒音の近隣住民への説明資料や苦情対応のエビデンスとして活用

交通(道路・鉄道・空港)

・環境基本法・環境騒音指針に基づく測定

・高速道路沿道、鉄道沿線、空港周辺で長期モニタリング

・計測データは遮音壁・防音住宅の設計、国交省や自治体への報告書に利用

学校・教育機関

・学校環境衛生基準では「教室内の騒音レベルは55dB以下が望ましい」と定められている

・教室や体育館の静粛性確認、空調機器やプロジェクターの動作音評価

・測定結果は学習環境改善や補助金申請の根拠資料として活用

オフィス・商業施設

・快適な労働環境の確保やビル管理基準に基づき測定

・空調・OA機器・電話・人の会話などの背景騒音レベルの確認

・測定データはオフィス設計のレイアウト改善や防音材導入の投資判断に活用

音圧とは?

音圧(p)は、音によって生じる大気圧の変動のことです。

単位はパスカル(Pa)ですが、直感的ではないため、デシベル(dB)に変換して表します。

計算式は次の通りです。
SPL = 20 × log10 ( P / Pref )

国際規格(IEC 60942:2017)では、騒音計は以下の2クラスに分類されます。
クラス1:±0.5dB 精密グレード(工業・実験室向け)
クラス2:±1.0dB 汎用グレード(環境測定などに最適)

通常のサウンドレベルとは?

世界保健機関(WHO)は、「正常な騒音レベル」を 35dB以下 と定義しています。
これは「ささやき声」や「木の葉のざわめき」と同程度です。

一方で、85dB以上は危険域とされ、長時間の曝露は難聴や健康被害を引き起こします。

都市部では交通騒音により、この閾値を超えることが多く、騒音公害は健康リスクの一因とされています。

そのため、WHOは長期的な難聴や疲労を防ぐために「85dB以下に抑えること」を推奨しています。

騒音計でどのように測定するのですか?

騒音測定は、作業環境・生活環境の安全性や快適性を評価するために不可欠です。 主な測定機器は次の通りです。

  • ✅騒音計:瞬間的な音圧レベルを測定(dB表示)
  • 騒音線量計:作業者の累積暴露量を測定(労働安全衛生で利用)
  • ✅サウンドアナライザー:周波数帯域ごとの騒音分析が可能
これにより、防音対策の必要性や法規制の遵守状況を判断できます。

騒音計にはどのような種類がありますか?

騒音計は測定方法により大きく3種類に分類されます。 標準騒音計:RMS回路を用いた基本型。聴覚障害のリスク判断などに使用。 積分型騒音計:音圧の二乗を時間で積算し、音響暴露を計算。 積分平均型騒音計:積分型と同様の機能を持ち、特に労働環境での騒音管理に広く応用。

第1種・第2種騒音計の比較表

項目 第1種(Class 1) 第2種(Class 2)
主な用途 環境基準調査、研究開発、公式試験、裁判資料、自治体・官公庁測定 作業環境管理、工事現場の日常測定、ビル管理、学校・オフィスの騒音評価
精度(許容差) ±0.5 dB(精密級) ±1.0 dB(普通級)
規格準拠 JIS C 1509 / IEC 61672-1 Class 1 JIS C 1509 / IEC 61672-1 Class 2
周波数範囲(典型) 20 Hz ~ 20 kHz 付近(機種により異なる) 31.5 Hz ~ 8~12.5 kHz 付近(機種により異なる)
周波数重み付け A/C/Z(フラット)標準搭載が一般的 A(必須)/C・Zは機種により
時間重み付け FAST / SLOW / IMPULSE(機種によりPEAK) FAST / SLOW(IMPULSEは機種により)
オクターブ分析 1/1・1/3オクターブ対応が主流(拡張可) 対応機と非対応機が混在(拡張オプション)
データ記録・解析 高分解能ログ、時刻歴、Leq/Lmax/Lmin、統計値、NC曲線等 基本ログ、Leq/Lmax など中心(機種差あり)
校正・トレーサビリティ 音響校正器+定期校正(JCSS等のトレーサブル証明を要求されやすい) 音響校正器+定期校正(簡易証明で足りる場面も多い)
価格帯(参考・税別) 約20万円台後半~100万円超(分析/長期監視で上振れ) 約3万円台~30万円台(分析機能で上振れ)
長期監視・据置 屋外筐体・気象連携・遠隔監視等の本格運用に適合 簡易ログや定点チェック中心(長期は専用機推奨)
携帯性・耐環境性 筐体は堅牢だが付属機能が多くサイズ/重量が増す傾向 軽量・手軽で現場の巡回測定に好適
代表的ユーザー 官公庁・自治体、大学/研究所、設計コンサル、計量証明事業者 工場HSE、建設会社、ビル管理、学校・オフィス管理者、設備保全
購入判断の目安 法令・条例対応の厳密測定、研究・審査・係争や公式報告に使用 日常管理・苦情対応の実務、コストと機動性を重視

※ 価格帯は市場相場の目安です。機能(1/3オクターブ、長期監視、通信、解析ソフト、校正証明)により上下します。
※ 規格・仕様は機種ごとに異なります。導入前に最新カタログおよび校正・トレーサビリティ要件をご確認ください。

商品カテゴリ

商品検索

お買い物ガイド

ご利用ガイド 各種お問い合わせ
業者コード:0000098781
全省庁への入札参加資格アリ

インフォーメーション

ご利用規約 | プライバシーポリシー